「キャビンアテンダントは背が高くないとなれない」という話を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
身長のほかに「体重」「年齢」「視力」などに制限があるのかどうかも気になるポイントです。
この記事では、キャビンアテンダントの求人に関する制限事項について解説します。
キャビンアテンダントになるための制限一覧
キャビンアテンダントの求人には、さまざまな「制限」にまつわる話がつきもの。
身長や体重、視力など身体的な制限から年齢制限に関することまで、航空業界の実情をお伝えします。
身長制限
まずは「身長」に関する制限に関してです。
現在、国内の航空会社でキャビンアテンダントの求人に身長制限を設けているところはありません。
その理由のひとつが法律の改正です。
2007年に男女雇用機会均等法が改正され、合理的な理由がない限り求人広告に身長や体重、
年齢などに関する制限を掲載できなくなりました。
そのため企業側が求人の時点で身長制限を設けることは難しくなり、応募資格からは外されています。
そもそも「キャビンアテンダントになるにはある程度の身長が必要」というのは、
保安業務のために飛行機のオーバーヘッドビン(座席の上にある手荷物を収納する棚)に手が届く必要があるためです。
つまり背が高いほど業務をこなしやすく、かつては明確に制限されていたのも事実です。
しかし旅客機の主流が大型機から小型機へと移り変わるにつれ、キャビンアテンダントの身長はそれほど重要視されなくなってきました。
乗務員の負担を軽減するためにステップがついた機体もあります。
体重制限
キャビンアテンダントは体力を必要とする職業です。
国際線となれば10時間以上のフライトもあり、何よりも身体的・精神的に健康であることが求められます。
体重が極端に重かったり軽かったりすると業務に支障があるとみられてしまうことも考えられますので、
次の式で求められる適正体重を参考にしましょう。
適正体重=身長(m)×身長(m)×22
年齢制限
年齢に関しては、身長制限と同じく求人広告の募集要項で制限されることは一部の例外を除いてありません。
新卒の場合、国内の航空会社ほとんどの企業で専門・短大卒以上の学歴が求められるため「20歳以上」がひとつの条件だといえるでしょう。
既卒者では30代の採用実績もあります。
何歳でも応募自体は可能であるものの、キャビンアテンダントは体力・精神力が必要な仕事ですので、
現実としては20代の若手が好まれる傾向があります。
視力制限
国内のほとんどの航空会社では「コンタクトレンズによる矯正視力が1.0以上」を条件として掲げています。
保安要員としての業務を滞りなく遂行できることが求められるからです。
また、一部の外資系航空会社をのぞきフライト中はメガネを着用することができません。
キャビンアテンダントはメガネ禁止の職業として一時話題にもなりました。
ちなみにパイロットも矯正視力が1.0以上あることが求められますが、こちらはメガネ着用可です。
語学力制限
世界中のお客さまをもてなすキャビンアテンダントにとって語学は必須のスキルです。
そのため国内の航空会社では多くの企業が「TOEIC600点以上と同等の英語力(英検2級程度)」を応募資格に含めています。
TOEIC600点というとハードルが高いと感じるかもしれませんが、2019年度の大学生の平均スコアは574点です。
つまり飛び抜けて高い英語力を求められているわけではありません。
英語による面接を実施している企業もありますが、最低限の英語力があるかどうかをはかるものですので、
専門的な質問をされることはほとんどありません。
また、中国語など英語以外の語学を身に付けているとさらに有利になります。
身長の差は「人間力」でカバーできる
語学力や体力は努力によってアップさせることができますが、どうにもならないのが「身長」です。
ただ身長はひとつの要素に過ぎず「高いから合格、低いから不合格」というものではありません。
身長がネックになりそうなら、それ以外のポイントでカバーすればいいのです。
現代のキャビンアテンダントに求められるもの、それは「人間力」です。
人間力とは総合的な教養や思考力、コミュニケーション能力、自律の精神など複数の要素で構成されるもの。
業務に真摯に取り組む誠実さなども重要です。
キャビンアテンダントにとっては、初対面で好印象を与える人当たりのよさや、
トラブルに直面したときに動じない精神力なども必要なものだといえます。
人間力を磨き、身長の低さをカバーしてなお有り余る魅力を身につけましょう。
まとめ
身長が低いからといって、チャレンジする前から夢をあきらめる必要はありません。
国内の航空会社では、実際に150センチ台のキャビンアテンダントが多数活躍しています。
しかし難関をくぐり抜けるには、人間力を磨くのが必須。
専門的な知識や心構えを学べるエアラインスクールに通い、企業に「この人と働きたい」と思わせる魅力を身につけましょう。